お位牌のあれこれ

<位牌とは>

 亡くなられた方御霊をおまつりするため、ご戒名・ご法名を記して自宅の仏壇や寺院のお位牌壇に安置する木製の牌を「お位牌」といいます。
用途別に分類すれば、
 ・葬儀の時に使用される白木の「野位牌」
 ・四十九日の忌明け後に仏壇に安置される「本位牌」があります。
「本位牌」には、戒名・没年月日・俗名・年齢などを、彫り か 書き のどちらかで記します。

<戒名とは>

 戒名とは、元来仏教者として守るべき生活や心の規範を受けた者に対して授けられる名前です(仏の弟子になったことを表す名前です)
現在では、亡くなってから戒名が授けられるというのが一般的ですが、本来は生きている間に戒を受け、仏教者としての生活を送ることが理想であり、
実際に大半の寺院では、生前に戒名を授けること(生前戒名)を行っています。

<なぜ戒名をつけるのか>

 本来ならば、生前に戒めを受けて、戒名を授かるのが理想ですが、大半の方は亡くなってから戒名を

 

<国産位牌・海外位牌の見分け方>

 一般消費者の方が見分けるのは困難なため、お店選びが肝になってきます。
仏壇と違い、品質表示・産地表示の義務がありません。少数派ではありますが、「日本製です・海外製です」と良心的で信頼できる店なら、説明いたします。
 ネットでは、海外製を日本製と偽っている所もあるので、店舗で直接のやり取りの方が安心です
価格的にもポイントになります。安すぎる位牌には注意が必要です。
日本製の位牌は、
・木地彫刻の緻密(ちみつ)さ
・塗りの綺麗さ
・金箔金粉の施(ほどこ)しようが綺麗か
・金の輝きはどうか
など、海外製の位牌と並べると、パッと見では分かりにくくても、比較すれば “見えてくる” でしょう。

 

<日本製位牌の工程・素材>

 まず、高級品は位牌の命である素材、木が上等です。十分な自然乾燥・管理を経て使用する、国産ヒノキ・ホウの木・シナ・紅松・
黒檀・紫檀・ケヤキ等を素材とします。
海外製の安価品の多くは、ヒバの木等を使用します。もともとの素材が安い事と、乾燥が不十分なことも多く、数年経てば木自体が反ってきたり、
ねじれてきたり、といった不具合が起こる可能性が、日本製より高まります。
 もう一つは、塗りの原点である下地です。日本製は天然素材である湖粉(ごふん)【牡蠣の殻の粉末】で下地を塗ります。またはサーフェサーという
化学下地を塗ります。
安価品は札木地の表裏にプラスチック状の板を張り合わせていたり、彫刻部分でもプラスチック状の彫刻した風の型を使用して大量生産を計っています。
そのため、安くはなりますが、将来木とプラスチック状の接着面などの割れや、耐久性に不安も出てきます。
 もう一つは、金箔・金粉の質、加飾による美しさの違いです。金の純度により等級があり、高級品には五毛色金粉(金純度98.91%)のものや、
次の位の1号色・2号色金粉を使用します【金・銀・銅の割合により等級があり、銀・銅の割合が多くなるほど等級が下がる。そのため、等級が下がると
黄金色の輝きが鈍くなる】
安価品の中には、本物の金は使用せず、金色の塗料を塗っているのでは?という疑わしいものも存在します。そのため本物の金と違って、変色して
くる不安が出てきます。たとえ、本物の金箔・金粉を使用していても、技術が未熟なため、彫刻の隅々まで金箔が入っていなかったり、金箔にシワが
入ったり、艶が悪かったり、金粉の色がくすんだりします。材料費・技術料の差がそこに表れます。
さらに、最近では位牌に様々な蒔絵を施したおしゃれな・モダンな位牌が多く出てきました。この蒔絵自体にも違いがあり、日本製は伝統的技法の
漆による“手書き”です。安価品はスクリーン印刷・シール貼りといったやり方です。これは厳密に言うと“蒔絵”ではありません。“蒔絵風”です。

<まとめ>

  位牌は、故人様そのものとし、おまつりします。様々な観点から、それぞれの違いを考慮して、納得して故人様を想える位牌をお選びになっては
いかがでしょうか?